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評価が難しい建物

仰天房は、建築としては評価が分かれるというか、評価が難しい建物であると感じている。

醍醐に引っ越してきてから、六地蔵方面へバスで行くたびに、「何か変わった建物があるなあ」とは思っていたが、材木店に寄る現実的な用事がなかったため、通り過ぎていた。

それが友人の紹介で訪問し、中を拝見してそれこそびっくり仰天したのである。

 

「この階段はいったい・・・・?」

「不安定な要素があるのに、この安定感はいったい・・・・?」

「造形的に洗練されているとは言い難いが、野暮とも違う、これはいったい・・・・?」

「40年ほど経っているのに、仕口の鋭敏さはいったい・・・・?」

「これって、建築といえるかな?」

 

という風に、変に魅了されてしまったのである。

聞けば、木工作家とてアメリカで活躍されていたとの事。

 

日本の日展や、伝統工芸士の集まりの会には所属されておらず、日本の世間では無名であることなどがわかった。

 

今回、建築史の先生や多くの建築家にも見ていただいたが、「素晴らしい」とおっしゃる方と「難しいね」とおっしゃる方と二分されてしまい、ましてや法に照らした建物であるので、そうなることはわたしにも十分理解できるところであった。